タイトル:「飛び猫」「フクとマリモ」「ねこ禅」 3タイトルが一堂に会す写真展
写真家 :五十嵐 健太
五十嵐 健太さんは、KADOKAWAなどから大ヒットベストセラーの猫写真集を含む著書を10冊出しており、累計10万部を超える写真家で、InstagramをはじめSNSの総フォロワー数は16万を超える程です。
猫を撮り始めてから10年が経つとの事ですが、今回の展示は千葉県、瀬戸内海、九州、屋内など撮影してきた猫たちで、その瞬間を捉えた写真展です。
看板に写っていた可愛い猫の写真からも期待度が高まっていたので、ワクワクしながら会場内へ。
入口へは建物の正面入口から入って階段を上がってもいいですが、「手塚治虫記念館前」交差点側にある階段左手のスロープから直接入ることが出来ました。
入った瞬間、とにかく猫がいっぱいで気分も上がりました。
日頃、テレビやSNSなどで猫の画像を見ては疲れを癒しているという人もいると思いますが、ここに来れば、どこを見ても猫・猫・猫!
全身を猫に包まれているような空気を感じられるので、猫好きにはたまらない、いや、猫好きでなくてもたまらないのではないでしょうか。
思う存分猫の写真に囲まれて、なんとも言えない癒しの空間。
ご担当者の方とこのことを話していると、写真家の五十嵐健太さんも「コロナ禍で疲れていると思うので、ぜひ癒してもらいたい」との想いから開催されたという話を伺いました。
会場内は「飛び猫」「フクとマリモ」「ねこ禅」でエリア分けされていました。
「飛び猫」エリアでまず目に飛び込んできたのが、猫の写真がいっぱいコラージュされたボードです。
ここには表情豊かな愛らしい猫がいっぱいでした。
「どんな気持ちの時にそんなポーズを取るの?」と猫に問いかけたくなります。
ちなみに、ご担当者の方がおっしゃるには、皆さんここで一番長く足を止められるとのこと。
確かに一つも見逃したくないと思う欲が溢れ出て、隅から隅まで見ているだけでかなりの時間を要してしまいました。写真も自由に撮影できるので、お気に入りの猫を見つけては、待ち受け画像にしているのかもしれませんね。
こちらの写真は、写真家の五十嵐健太さんが「飛び猫」の写真を撮るきっかけになった写真だそうです。
船から船へ、見事なジャンプの瞬間ですね。
続く「ねこ禅」エリアでは、すでに出版されている本のから抜粋されて展示されていました。
猫の写真にわたしたちにも馴染みある禅語が組み合わせられています。
どの禅語もまるで「猫」に言われているようで心に刺さります。美術館などでも説明文をあまり読まない私ですが、気づけば一つひとつ読みふけっているのでした。
「フクとマリモ」エリアでは、大阪市北区にある「フクとマリモの猫カフェ」にいるコキンメフクロウのフクと、スコティッシュフォールドのマリモが繰り出す日常にほっこりさせられます。
これだけではありません。今回は「猫の写真」を一般公募され、その写真も約200点以上展示されています。皆さんの猫愛が伝わる個性的で可愛さ抜群の写真で、どれも見ていて面白い!
—
ここから少し、編集長の独断での「お気に入り写真」のご紹介です。
会場に行かれたら、どこにあるのか見つけてみてください。
「運動会!」とでもタイトルをつけたくなる写真です。
「そんなに見つめられると…」
よくこの瞬間を写真にできるものだと違う視点でみてしまいます。
飛び出す絵本のよう、錯覚するほどの迫力のある飛び猫。
「我逢人」 ー我、人と遭うなり。
この言葉は、当メディアのコンセプト「出会い」に共感する部分でもあり、お気に入りの三文字を見つけました。
もの思いにふける時間なのだろうか、時間の流れを静かに感じる写真。
一般公募の写真からはこちらから。
左:超低姿勢から竹の上部までを捉えた背景の中にある両猫の表情には平伏するしかない。
右:あくびの瞬間に、なかかなシャッターは切れないのに。
何度、飛ぶ瞬間を捉えたのだろうか。動きのある瞬間がとまってみえる写真達。「飛び猫」の撮影はとある離島で実施されたものがほとんどだとの事ですが、写真をじっと眺めていると、いつシャッターを切るべきなのか、待ち構えている写真家 五十嵐健太さんの時間が伝わってくる感覚に包まれます。
心地よい景色の平穏の中ですが、これから目の前にいる猫がどんな行動をとるのかはわからない緊張とが同時に伝わります。おそらく、長い時間そこに座っていたのでしょう。あるいは、写真によっては、撮影のアングルを確保する為に寝転んでいたかもしれません。そんな五十嵐健太さんのとの時間も共有できそうです。
——
ギャラリー前のショップにも、いろんな猫グッズが売られていました。
中で紹介されていた「ねこ禅」の本もここで購入できます。
一番人気は、ポストカードだそう。展示で見て気に入った写真のものを買われていく方が多いようです。
この日来場されていた方もカバンに猫のキーホルダーがついていたりと、やっぱり猫好きな方が多いようでした。
中に一緒に入ることはできませんが、猫を連れて来られる方もいらっしゃるそうです。
温泉に浸かった後のように「猫のシャワー」をたっぷり浴びた私、デトックス効果を感じながら会場を後にしました。
写真展というより、まさに「癒し空間」でした。
インスタグラムやテレビで猫の動画に癒されることはありますが、ここではそれ以上のものを感じたように思います。
中学生以下無料、高校生以上でも500円と、ワンコインで入場できます。
仕事に疲れた時、子育てに疲れた時、人間関係に疲れた時、そんな人たちも癒してくれる写真展です。
開催期間は2022年3月27日(日)まで。
ご家族で、お友達と、お一人でも、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
—————–
【「飛び猫 フクとマリモ ねこ禅」五十嵐健太 猫写真展】
主催: 宝塚市立文化芸術センター(指定管理者:宝塚みらい創造ファクトリー)
会場: 宝塚市立文化芸術センター 2階メインギャラリー
観覧料:一般(高校生以上)500円・中学生以下無料
※障がい者手帳提示で本人、付添1名まで無料
住所: 〒665-0844 宝塚市武庫川町7番64号
電話: 0797-62-6800
開館時間: 10:00〜18:00(ただし入場は17:30まで)
休館日: 毎週水曜日
オフィシャルサイト: https://takarazuka-arts-center.jp/