宝塚市のたからものを見に行こう! 市制70周年記念展 宝塚コレクション

「きて!みて!みんなの『たからもの』」というキャッチコピーのもとに、「市制70周年記念展宝塚コレクションー宝塚市所蔵作品展ー」が宝塚市立文化芸術センターで開かれています。宝塚市が作家のご遺族等から寄贈を受けて所蔵する、宝塚市ゆかりのアーティストの作品を一挙に紹介。また、宝塚市内の文化財公開活動や宝塚学検定、パブリックアートなど、市内のアート作品と歴史や文化に触れる取り組みも紹介しています。
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7月20日土曜日の11時から、開幕に先駆けて、2024年度パートナー会員向けの内覧会が開催されました。

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こちらの作品は、中畑艸人(なかはた そうじん)氏の「惨!!‘95一月一七日」(油彩・キャンバス130.3×194cm、1995年)です。

阪神・淡路大震災の際、宝塚市内で被災した時の恐怖感や絶望感を馬に託して描かれました。生涯を通して中畑氏がモチーフとした馬の描写や社会への関心が表れているだけでなく、神話への傾倒による抒情性が結実しています。

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平面に描かれた円柱状の形から、ころころと転がる木製の「いろだま」が飛び出して床に広がっているように見えます。その数は約1000個。宝塚市内では10年ぶりの展示となります。いろだまは、元永氏が故郷の伊賀上野から神戸に出てきたとき、摩耶山の頂上に輝くカラフルなネオンが宝物に見えたことからインスピレーションを受け、「寶(たから)がある」という作品(1954年ごろ、個人蔵)で描いたのが始まりです。その後、絵本や絵画、立体作品にも登場していくことになりました。

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ユニークな形の大きな作品は、元永定正氏と中辻悦子氏の共作による「ななころびやおき(3)」(FRP・ウレタン塗装、38×97×高さ131.5cm、2009年)。

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展示室の中には、椅子に座って元永定正氏の絵本が読めるコーナーもあります。

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(左側)元永定正氏の『あみだだだ』と『もけらもけら』、(右側) と中辻悦子氏の『よるのようちえん』。一度は見たことのある名作絵本ですね。1階入り口横のショップで販売中です。

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ショップでは元永定正氏の絵本『ころころころ』と中辻悦子氏の絵本『まるてんいろてん』のほか、元永定正氏のくれない忌での松谷武判氏と今井祝雄氏による対談形式の講演をまとめた『元永定正を語る アートのあとさき』、『中辻悦子 起・承・転・転』展の図録なども販売しています。とても貴重な『元永定正生誕100年記念展記録集』も購入できますよ。

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8月3日土曜日の14時からは、1F キューブホールでパートナーズサロン「宝塚の地が育んできた文化」が開催されました。宝塚市を中心に各界で活動する3人が登壇し、「宝塚の文化の力」とは何か、宝塚に息づく文化とその未来について語り合いました。

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谷口義子氏(神戸学院大学非常勤講師、宝塚学検定委員)によれば、宝塚は「多様性に富んでいて、日常の風景が美しい生活文化の町」。谷口氏は気軽に芸術に触れることができる、宝塚市立文化芸術センターの日常的な使い方についての発信を提案しました。

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昭和48年から宝塚に住み、宝塚の町を見てきたという秋山文子氏(革工芸作家・公益財団法人宝塚市文化財団 理事長)は、宝塚市が華やかで優雅な街になり皆で愛せるように、宝塚市が大変な時は皆で取り組むことを呼びかけました。また、市民が協力することの他、宝塚市立文化芸術センターを市民にもっと知ってもらうことの必要性を強調しました。

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世界的に知られている現代美術家・元永定正氏の妻で、自身も美術家の中辻悦子氏は、「宝塚市は住み心地のよい街、60年あまりの長きにわたって宝塚に住んでいる」と語りました。
中辻氏によれば、宝塚で制作をしても、発表は別の所でするアーティストが多いとのこと。「市民の方々が芸術を受け入れてくれるように願っている」と中辻氏。宝塚市立文化芸術センターが単なる文化センターになってしまわないよう、他でやっていないような新しい工夫をするとともに、海外で評価されている「具体」のことをもっと紹介してもらいたい、と提言しました。

司会進行を務めた加藤義夫館長(宝塚市立文化芸術センター )の、世界的な文化資源があるのに、世界へ発信しないのはもったいないという話に、深く考えさせられました。今回の市制70周年記念展に足を運び、世界へ誇れる宝塚市の「たからもの」を、再発見してみてはいかがでしょうか。

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市制70周年記念展 宝塚コレクション-宝塚市所蔵作品展-

7月20日(土)~9月1日(日)
10:00~18:00[最終入場は17:30まで]
休館日 : 毎週水曜日
会場 : 宝塚市立文化芸術センター2F メインギャラリー
観覧料 : 一般(高校生以上)1,000円
※中学生以下無料
※障がい者手帳ご提示の方と付添1名まで無料※2024年度パートナー特典対象

【70周年記念事業・特別割引】
①広報たからづか7月号の提示で200円引き
②市内在住または在勤である証明書類の提示で200円引き
③第15回宝塚学検定認定証の提示で200円引き
主催 : 宝塚市立文化芸術センター[指定管理者 宝塚みらい創造ファクトリー]
特別協力 : モトナガ資料研究室
協力 : 公益財団法人宝塚市文化財団、宝塚市立中央図書館、日本中央競馬会 阪神競馬場、和歌山市立博物館
後援 : 神戸新聞社
助成 : 公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団

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宝塚市立文化芸術センター
住所:兵庫県宝塚市武庫川町7-64
電話:0797-62-6800
開館時間:センター・屋上庭園 10:00〜18:00
メインガーデン 10:00〜17:00
休館日:水曜(祝日の場合は開館)、年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料:基本的に無料. (展覧会や催しによっては一部有料。料金は各展覧会や催しによって異なる。)
駐車場(有料):12台(内1台は障がい者用駐車場)
SHOP営業時間:10時~17時(13時~14時 close)不定休

宝塚市立文化芸術センターWEBサイト https://takarazuka-arts-center.jp/
宝塚市立文化芸術センターInstagram https://www.instagram.com/takarazukatac/
宝塚市立文化芸術センターX https://twitter.com/takarazukaTAC


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記事/写真 :YURIE(BRALIライター)

 

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