宝塚現代美術てん・てん2023が宝塚の街中で開催され、第11回目の今回も大いに盛り上がっています。
宝塚駅と宝塚南口駅周辺の、いろいろな場所で展示されているようですね。
11月3日のオープニングイベント。宝塚文化創造館前の花のみち・さくら橋公園では、子どものためのワークショップが開催されました。お天気に恵まれて、たくさんの子ども達が参加していました。
紙粘土をニギニギしたり、色々な紙や落ち葉などで飾りを作り、ユラユラ動くモビールを制作しました。
参加した子どもたちは、公園で拾ってきたドングリやお菓子の空袋などもモビールに飾りました。バランスも上手にとっていましたよ。
今回初出展のAILING YANさん。「手織りの布でのファブリックパネルの制作です。縦の線と横の線が交差して織り重なり、面になる。その面上だけの限られたスペースに小さな世界を⋯布の持つ柔らかさと規則正しく慎ましい織り目にのせて表現しました」(作家による作品解説)。
水面の変化を絵にした作品を描く奥村誠さん。今回は流れをテーマに描いたそうです。武庫川の絵(左)は、私たちの見慣れた風景だけに愛着を感じます。右は品川太地さんの作品。「現代社会は複雑で正解は一つではない。人類も多分野で多様性の時代に入り貧困と分断の異なる人間が存在する世界である。これからは個性を認め合い自由、平等、福祉が理念の地球号(新社会システム)が発進する」(作家による作品解説)。
現代美術の作品群の中に身を置くと、いろいろなアイディアやインスピレーションが浮かんできそうです。
阪急宝塚駅近くの宝塚自転車駐車場の外壁にも現代美術の作品が飾られています。大塚卓さんの作品、「ななめの積み木」(手前)。街中にアートがあると、雨の日でも気分が上がりますね。
こちらは、武庫山平林寺で展示されている中辻悦子さんの「おとなのままごと」。「人間という機械?に毎時間ごとに注入されるエネルギー源三度三度の飯事(ままごと)についての再認識と遊び」(作家による作品解説)。
その日の新聞記事やご飯を写真撮影したものに、コメントも書かれています。「さすが中辻先生。こんなアイディア、私は思いもつかないです。おいしそうなご馳走ばかり。童心にかえり、座敷に座ってままごと遊びをしたくなりました」と来場した現代美術作家嚴愛珠さんは感想を語りました。
扉の向こうに見える彫刻は池田丈一さんの「ひねくれた形と記号デーS」。「1994年、大阪府とデュッセルドルフとのART-EX事業で滞在制作したアルファベットの作品を今回、展示します。自国の文化を大切にするドイツを知るにつけ、現在は日本文化を大切にしてひらがな造形をしている私がいます」(作家による作品解説)。
作品の前で立ち止まり、語り合う来館者。タイトルがないので、何を表現しているのか想像力をかき立てられます。
大野良平さんの「眠るひと」をテーマにした木彫作品シリーズ。今回は、流木に囲まれて眠る「眠るひと」です。「眠るひと」は永遠性を表しているそうです。
普段は理科の教員をしている荒木田義人さんの作品。「段ボール、発泡スチロール、サランラップ、日常的なものからヘンテコな形を、それを日常の場に置くことでできる周辺の空間の変化を」(作家による作品解説)。
「遊びの時間は終わらない。にぎにぎ、ベタベタ、ゴシゴシ遊びながら作る」(作家による作品解説)。色分けした宝塚市の地図の好きな場所に、来場者が手で握ったユニークな形の紙粘土を置いていく、菅谷知子さんによる来場者参加型の作品。私は地図上の自宅がある場所近くに、自分で握った紙粘土を置きました。
こちらは、菅谷知子さんの制作した作品が入った大きな箱の上に被せられた透明シートの上に、この作品を見て浮かんできたオノマトペを、来場者が好きな場所に好きな色マジックで書き込む来場者参加型作品。「何を書こうかな」と、大人も子どもも、ワクワクしながら自分の心に浮かんだオノマトペをキャッチしていました。「いつもの私だと絶対に浮かばないようなオノマトペが浮かんだ」と驚く参加者もいて、皆さん思わず笑顔になっていました。
最終日の11/12(日)は武庫川右岸河川敷で13:00から15:00まで、花のみち・さくら橋公園では、15:00から17:00まで、てん・てん参加アーティストによるパフォーマンス大会が開催されます。宝塚に点在する展示会場やパフォーマンス会場に足を運び、秋の空の下での現代美術三昧をぜひ楽しんでくださいね。
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宝塚現代美術てん・てん2023(概要)
*今年からビエンナーレ(隔年)開催となります
●会期:11月3日(金・祝)~12日(日)10:00~17:00(最終日15:00まで)
・宝塚文化創造館:11月3日(金・祝)~7日(火)迄
・文化芸術センター、国際・文化センターギャラリー、カフェK-LEWISは、8(水)、花屋つくしは、9(木)定休日です。
展示会場および参加アーティスト
●左岸側:宝塚自転車駐車場、ソリオ1テラス2F/3F、文化芸術センターメインガーデン、宝塚文化創造館、花屋つくし、仕立屋Lien
【宝塚自転車駐車場外壁】
大塚卓/篠﨑裕子/滑川みざ/水垣尚
【ソリオ1テラス2階・3階】
春成こみち/樋口尚/松原三郎/谷中亜紀
【文化芸術センターメインガーデン】
岩佐倖子/窪田順/山口康二郎
【宝塚文化創造館】
荒木田義人/池田丈一/大野良平/菅谷知子
【花屋つくし】
有田やえ/いまふくふみよ
【仕立屋Lien】
友井隆之
●右岸側:宝塚南口駅前ロータリー公園、国際・文化センターギャラリー、カフェK-LEWIS、友金アパート、武庫山平林寺
【宝塚南口駅前ロータリー公園】
笹谷太郎
【国際・文化センターギャラリー】
有田やえ/生西悦子/磯野由理/いまふくふみよ/上野秀明/岡野ひろみ/奥村誠/オチモトコ/笹谷太郎/品川太地/菅原奈津/たてまつふみこ/種中和義/藤條進/山口康二郎/AILING YAN
【カフェK-LEWIS】
大山絵美/松上清
【友金アパート】
伊佐地恵子/川瀬啓子/切火念イエレ/小林くみこ/スペース605(小泉桂子+中村昌子+遊上陽子)/柴田知佳子/種中和義/中田誠/ピケリミム/橋本修一+橋本あやめ
【武庫山平林寺】
岡野ひろみ/中辻悦子/激励会(メイ+ヤマモトサイケ)/土師清治/春成こみち/松原三郎/森脇正奈/モリン児/山下克彦
オープニングイベント
【トークショー】
テーマ「アート力と地域力」ギャラリストがみた関西の美術(申し込み不要・無料)
日時:11月3日(金・祝)13:00~15:00:宝塚文化創造館
[ゲスト]
天野和夫(天野画廊代表)×向井修一(city gallery2320代表)
[聴き手]
坂上義太郎(BBプラザ美術館顧問)
【子どもたちとのワークショップ】
日時:11月3日(金・祝)11:00~12:00:花のみち・さくら橋公園
●紙粘土をニギニギ、色々な紙、落ち葉などでユラユラ動くモビールをつくります。
指導:菅谷知子、橋本あやめ、岩岡香苗
*小学生以下の方は保護者様もご一緒にご参加お願いします。
【パフォーマンス大会】
日時:11月3日(金・祝)15:00~17:00:文化創造館前、花のみち・さくら橋公園
*12日(日)13:00~15:00武庫川右岸河川敷でも開催。
【スタンプラリーの開催】
合計11会場における展示ポイント①~⑪のスタンプを集めて(7ポイント以上)、てんてんオリジナル缶バッチをプレゼント。先着300名迄で終了
●主催:宝塚アートプロジェクト
●協力:(公財)宝塚市文化財団/ソリオ宝塚都市開発株式会社/(特非)シニアパワーを活かす会/武庫川UGAN広場実行委員会
●Special Thanks:K-LEWIS/花屋つくし/平林寺/仕立屋Lien
お問合せ
080-1437-3811(宝塚アートプロジェクト:大野)
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記事/写真: YURIE (BRALIライター)